2017年ごろから台湾のタップルームやボトルショップでよく見かけるようになってきた新しいビールのブランド、「浮光精釀啤酒 (Floating Light)」の紹介です。浮光精釀啤酒のビールはどれも品質が高い印象で気になっていました。
「浮光精釀啤酒」は2012年に設立された「瀇鋐有限公司(Kwang Hung Craft Beer)」が手がけるオリジナルビールのブランドです。
2018年10月に台北の啤酒土狗(beer to go)で、瀇鋐有限公司の社長、陳泓叡(チェン・ホン・ジュェイ)[通称 Gavin]さんと、浮光精釀啤酒のヘッドブルワー、孫崑展(スン・クェン・ジャン)[通称 Kevin]さんからお話しを聞くことができました。
瀇鋐有限公司は、日本、アメリカ、ニュージーランド、ノルウェーなどからクラフトビールを輸入・販売している会社です。現在日本のビールは、Kagua, Far Yeast, OH LA HO を扱っています。
2017年に Kevinさんをヘッドブルワーに迎えて瀇鋐有限公司が設立した独自のクラフトビールブランドが「浮光精釀啤酒」です。
浮光の「浮」はゆったりと楽しんでいる感じ、「光」は時間や希望の意味で、「浮光」はゆったりとした時間を楽しんでいるイメージです。
醸造は新竹の醸造所、 傳奇精釀啤酒(Legend Brewery Craft Beer) で行っています。醸造設備は Legend Brewery のものを借りていますが、醸造の最初と最後は必ず Kevinさんがブルワリーに行って自ら作業を行っています。
Kevin さんは社会人になって銀行に就職しました。銀行で仕事をしていた時は大手のビール(台湾ビール)を飲むことが習慣になっていました。
ある日、キャンプに行った時に友達が造ったビールが美味しくて驚いたことが手造りビールとの出会いでした。ビールが自分で造れるものとは思っていなかったので衝撃でした。それから、Youtube でビールの醸造を学び、ホームブルワーになります。
そして、2015 年にホームブルワーのコンペで優勝します。その 1年前の 2014年の優勝は 吉姆老爹啤酒工場 Jim & Dad’s Brewing Company の Jim さんでした。
ホームブルーイングが合法な台湾では多くのホームブルーイングのコンペが開催されていて、Kevin さんのようにホームブルワーからプロのブルワーになる人がたくさんいます。Kevinさんは今でも、醸造所に行く前はホームブルーイングで実験を行っています。
Kevin さんはビールのレシピを読めば、ビールの仕上がりが予想できることが特技だそうです。
プロのブルワーになってからも、多くのコンペで賞を受賞し、実力が認められていきます。日本で開催された International Beer Cup 2018 では柚を使った小麦のフルーツビール「柚香小麥啤酒」が銀賞を受賞しました。ブランド立ち上げの一年後の受賞の快挙です。
日本のビール審査会で台湾のブルワリー 10社が入賞
Kevin さんは浮光精釀啤酒ブランドを立ち上げる前にも、自力でビールブランドを立ち上げたことがありますが、経営はとても難しかったそうです。今では、経営はプロの瀇鋐有限公司の Gavin さんと手を組むことが最善だと考えています。
ボトルのデザインは人物の肖像画を使ってきましたが、コストのこともあり、これからはシンプルなデザインに変えていくそうです。
まだ一年と少しのブランドなので、これからも模索しながら進めていき、2019年には新商品の発売、輸出も考えたいそうです。
サワービールやバレルエイジについて聞いてみると、サワーはまだ技術的に難しく、比較的簡単なケトルサワーでは風味が単純になってしまうそうです。バレルエイジはハイアルコールになるため、台湾でのマーケットは小さく、輸出できるようになってから考えたいそうです。
独自のブルワリーについては、浮光精釀のブランドが順調に育てば考えたいそうです。
浮光精釀は品質へのこだわりが大きいことが特徴で、過去に品質問題が起こった時には、お店に出荷した全てのビールを回収しています。こんなことができるのは浮光精釀しかないだろうと言ってました。
【台南】Kevin さんのお店「潮玩啤精釀啤酒專賣店 beer in vogue」
台南在住の Kevin さんは地元の台南でタップルーム&ボトルショップ「潮玩啤精釀啤酒專賣店 (beer in vogue)」を経営しています。2017年の7月にたまたま訪問したときは Kevinさんは不在でした。実はKevin さんと初めて会ったのは、 2018年9月に東京で開催された MBCT(Mikkeller Beer Celebration Tokyo) でした。 Kevin さんはとても真面目で誠実な方という印象でした。
ホームブルーイングも行っている Kevinさんのお店らしく、器具やモルト、ホップなども取り扱っています。
Kevin さんがお店にいることは多くはないようです。
2018年12月に再訪。2階のスペースも整備され、この日は多くのベルギーからのお客さんが来ていました。
浮光精釀啤酒のビールを台北で飲めるところはたくさんありますが、2店舗紹介します。
啤酒土狗-精釀啤酒專賣店 Beer to Go
今回、台北でGavinさん、Kevin さんのインタビューを行った 「啤酒土狗-精釀啤酒專賣店 Beer to Go」です。
店名は Beer to Go ですが、店内でゆっくり飲むことができます。
ビールを注ぐグラスも自分で選ぶユニークなスタイルのお店です。
家途中啤酒屋 Way Home Beer House
二店舗目はこの blogでは紹介した「家途中啤酒屋 Way Home Beer House」です。
この時は 7タップ中 4タップが Floating Light のビールでした。
浮光精釀啤酒 Floating Light
https://www.facebook.com/floatinglight/
浮光ブランドを手がける会社
瀇鋐有限公司Kwang Hung Craft Beer
http://www.kwanghung.url.tw/
ヘッドブルワーの Kevin さんが経営する台南のタップルーム&ボトルショップ
潮玩啤精釀啤酒專賣店 Beer in Vogue
https://www.facebook.com/beerinvogue/
台南市台南市東區裕農路13號
+886 6 209 2695
浮光精釀のビールを醸造するブルワリー
傳奇精釀啤酒Legend Brewery Craft Beer
http://www.legendbrew.com.tw