台湾で最も有名で女神と呼ばれる女性ブルワー、Winnieさんの紹介です。
彼女は臺虎精釀のヘッドブルワーで、「許若瑋(シューローウェイ)」さん、通称 Winnie (ウイニー)さんです。Winnieさんとは、5年前に一緒に同じテーブルでビールの審査員をした時に、初めて出会いました。
昆虫について学んでいた大学時代
Winnieさんは、台北生まれ台北育ちで國立中興大學を卒業しています。中興大學と聞くと、やっぱりモルトやイーストを基礎から学んだのだろうと思ったのですが、実は昆虫について学んでいたそうです。学生時代にはビールはほとんど飲まなかったそうです。
Gordon Bierschでビールの醸造を学ぶ
学生時代にはビールをほとんど飲まなかったWinnieさんがビール好きになったきっかけは、2007年から 4年間、アメリカのクラフトビールメーカー、Gordon Bierschに勤めたことにあります。
Gordon Bierschでビールの醸造を学び始め、ビールが好きになります。つまり、ブルワーになりたくて Gordon Bierschに勤めたのではなく、 Gordon Bierschに勤めてから、ブルワーになったのです。台湾で多い、ホームブルワーからプロのブルワーになるのと逆の流れで興味深いです。
Gordon Bierschに4年間勤めた後、より深くビールの醸造を勉強をするために、学校に戻ります。
金色三麥時代
後に金色三麥に勤めます。こちらは台湾最大のクラフトビールメーカーです。
そして金色三麥時代に、ビールの醸造を勉強するためにドイツに渡航します。そこでブルワーの資格を取得し、さらに、ビールの醸造だけでなく、生産管理についても、厳しく細かい訓練を受けます。
Winnieさんは、台湾でビール造りを行うことについて、台湾人はとてもフレンドリーなので、この環境でビール造りできることはとても恵まれていると話しています。しかし、法律や税金に関して国からのサポートなどは一切ないそうです。
台湾でのクラフトビール造りは、やりがいを感じることはもちろん、大変なことも多いですが、自分の作品が人に好かれることを常に感謝しているそうです。
Winnieさんの現在の挑戦
現在は、自然発酵のビールを研究中です。発酵のコントロールがとても難いそうです。今商品として出してるものは失敗しにくい kettle sour です。
モルトやホップなどビールの主原料は主に輸入品ですが、副原料は地元のものが好みだそうです。実際に、陳皮、烏梅、金桔、龍眼など台湾産の副原料に使ったビールを造っています。
台湾のクラフトビールの多くは、フルーツ王国らしく様々な果実を採用しているところが面白いです。
新しいビールのアイディアについては、自分の味覚経験の Mix-and-Match です。例えば乾物の街の迪化街やカクテルもインスピレーションの元になります。学生時代にはバーテンダーの経験もあるそうです。
ビール造りのこだわり
ビール造りのこだわりについて、自分の好みはみんなに通用できるわけではないので、ビアスタイルに沿ってビール作ることが必要だと考えています。
日々挑戦していく中で、偶然良いものができあがることもありますが、それはたいしたことではなく、それをいかに安定して生産できるか試行錯誤することが挑戦だそうです。
自身の作品で特に好きなビールは、Hop LanternシリーズのIPAだそうです。苦味よりも香りを強調したIPAです。他に、スモークモルトの使った烏梅ビールも好きだそうです。
好きなブルワリーは、Russian River Brewing Company、Cascade Lakes Brewery です。
日本の特に好きなブルワリーは、箕面ビール、ヤッホーブルーイングだそうです。
日本のクラフトビールは、とても良いものを造る高い技術がありながら、小規模にこだわっているように感じているとも話してくれました。
女神と呼ばれることについて
女神と呼ばれているWinnieさんですが、Winnieさん自身は、とてもフレンドリーな性格で、自分はとても女神なんかではないと笑っていました。親しみやすく、気さくで明るい性格は、Winnieさんの魅力の一つです。
最後に、余談ですが、中国語のダジャレを紹介します。
写真は全て 2018年3月22日にブルワリー(臺虎Lab) で撮影したものです。
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