掌門精釀啤酒のタップルーム 1号店 「掌門精釀啤酒 台北永康店」 を紹介しましたが、今回は2014年3月に開設されたブルワリー「汐止酒廠 (掌門ブルワリー)」 の紹介です。2016年7月に初回の訪問をしました。
台湾では法律上、台北市内にブルワリーを立地できないため、多くのブルワリーは周辺の新北市や桃園にあります。掌門精釀啤酒のブルワリー もTaihu Lab と同じ台北市の隣の新北市の汐止區にあります。
ブルワリーと聞いて訪問した場所は新北市汐止區台灣科學園區というオフィス街にあるビルで、 1階には銀行が入っています。受付でパスポートと引き替えに入館証をもらい、指定された 11階の部屋へ向かいました。(海外でパスポートを他人に預けたのはたぶん初めて)
とてもブルワリーがあるようには見えないので、まずはオフィスで歓談した後にブルワリーに連れて行ってくれるんだろうと思っていました。
侯俊宇(ホウ・ジュン・ユウ)さんと再会し、応接室に通してもらいました。
侯俊宇さんは、Amazon で醸造の本を買い、Youtube の動画を見ながら独学で醸造を学び、ホームブルーから始めたと聞いていたので、小規模な会社を想像していましたが、実際は全く違いました。
応接室を出て奥の部屋に案内されると、
なんと、廊下の先がブルワリーでした。オフィスビルの 11階にブルワリーがあるとは!
窓から汐止の街が見渡せるブルワリー、ちょっとテンションが上がってきます。
こちらも Taihu Lab と同じくドイツの KRONES社製の高級醸造設備が整然と並んでいます。ホームブリューの拡大版ではなく、大手ビールメーカーの縮小版のような設備です。
マッシュ・ロイター / ケトル・ワールプール の標準的な構成ですが、熱交換システムもあり、煮沸のときに出る蒸気を温水製成に活用し省エネ効果を図っています。タンクは 500L です。
発酵タンクも全て 500L。今回訪問時はこの最新の設備が導入された直後でした。
醸造所でのタンクから直接注ぐフレッシュなビールの試飲は格別です。
漢字でタンクの番号が示されています。日本と共通の字も多いです。
壹(1)、弐、参、肆、伍、陸 と続き、拾陸(16) までの 500リットル×16基の発酵タンク。タップルーム一号店のタップ数と同じです。
KRONES社のコンパクト設計の「MicroCube」により、マッシュ・ロイター 、 ケトル・ワールプール、温水タンク、グリコール水タンク、操作盤キャビネット、各ユーティリティ装置と16基の発酵タンクが 11m×7m 高さ 3.5mのスペースに収まっています。(醸造設備のみで倉庫、冷蔵庫、パイロット用の醸造設備、他の設備のスペースは別です)
パイロット用に 100L の発酵タンクが 12基あります。以前はこの 12基の発酵タンクだけだったのですが、2016年に 500L の発酵タンク 16基が追加されました。
イーストはホワイトラボのリキッドで数種類を使い分けています。
モルトはドイツ、アメリカから輸入しています。しっかり空調管理のされた部屋に保管されていました。
ケグは30Lのみ。 造ったビールは外販はせず、全て自社のタップルームで消費しています。
今までにないタイプのブルワリーでした。掌門精釀啤酒はタップルームもどんどん増えています。追々紹介していきます。
掌門精釀啤酒 台北永康店
https://taiwan.bier-reise.net/zhang-men-01/
掌門精釀啤酒 Zhangmen Brewery
http://www.zhangmenbrewing.com/