台湾の最南端の博物館という名前のブルワリー、「恆春3000啤酒博物館 Hengchun 3000 Brewseum」の紹介です。博物館、ブルワリー、レストランがコンパクトにまとまった施設です。英語名は Brewseum で、Brewery と Museum から作られた造語です。2016年3月21日にオープンしました。
左半分がブルワリー、右下がレストラン、右上が博物館です。
この台湾最南端の地にブルワリーを造ったのは、墾丁の観光産業に着目し、荒野に開拓に挑戦する気持ちだったとか。
場所は台湾最南端の屏東(ピントン)県の恆春 (ヘンチュン)。アクセスは臺灣鐵路(在来線)の高雄駅か、臺灣高鐵(台湾新幹線)の南の終点、左營駅からバスで 2時間かけて 100Kmほど南下します。手軽に行けるところではないので、台湾のビール好きの友達でも行ったことがない人が多いようです。
窓には世界各地のビール瓶とその解説がディスプレイされています。建物の中に入る前から期待が膨らみます。
まずレストランです。正面のモナリザが目を引きますが、これは 8,400枚ものビールのラベルから作られています。
これは、ビールグラス、ジョッキの色の違いを利用してデザインされた BEER の文字です。何と、3,000個のグラスが使われています。これが「恆春3000啤酒博物館」の名前の由来になっています。
ブルワリー見学の前にヘッドブルワーの陳微熱(チェン・ウェイ・ルユァ)さん[本名は陳嘉宏(チェン・ジャ・ホン)さん]にお話しを伺いました。実は陳微熱さんは 哈克醸酒 (ハードコアブルワリー) の共同設立者です。なるほどこの風貌はハードコアブルワリー代表の陳銘徳さんと同じくミュージシャンだからかと思ったら、音楽とは関係ないそうです。陳微熱さんは日本のアニメに興味があるとか。
ブルワーになったきっかけは、徴兵により高雄の左營で入隊し、ある日偶然高雄のベルギービールのインポーター「麥米魯」の倉庫に行ってベルギービール知ったことらしいです。
レストランのタップは 24個です。今は14種類のビールしか提供していませんが、今後は頑張って種類を増やすそうです。
14種類のビールの名前は、琅嶠、墾丁、出火、關山、龍磐、旭海、牡丹、南灣、大尖山、落山風、白砂、南門、滿州、合界で、これらは全てこのブルワリーがある恆春の観光地の名前です。ビールを持って観光地巡りはこちら。
この日のタップビールは7種類とちょっと少なかったです。缶ビールも含めて全て試飲させていただきました。
まず、試飲したビールは、合界(American IPA)、關山(Extra Special Bitter)龍磐(Brown Porter)、南灣(American Pale Ale)、出火(American Stout)。
墾丁啤酒(Hoppy Lager) ABV: 4.5%、IBU: 15、ホップは Azacca, Citra。ゴクゴク飲めるフルーティなビールです。
牡丹((Gruit) ABV: 5.2%。これは、ホップを使わず、グルートを使ったビールです。ビールの歴史を勉強した人なら知っていると思います。ホップが使われる前に使われていたハーブです。[ビア検に出ます]
グルートを見せてもらいました。
現在、レストランではフードの提供はありません。持ち込みは OKらしいです。外でバーベキューをしても良いらしいです。この日は有名な池上便當(弁当)をいただきました。
(※フード提供が再開したら持ち込み不可になると思います)
いよいよブルワリーの見学です。
Brewhouse はチェコ製です。
最近は「博物館古ビールシリーズ」に取り組んでいるらしいです。南米のChichaと台湾の粟酒Kavava(原住民のパイワン族の言葉)とのハイブリッドの超限定ビール「Chicah-Kavava-Beer」を始めとし、地理的な境界を越え、歴史を遡って、今まで台湾になかったビールを創るのを目指しているそうです。
このケグを見た時、目を疑いました。ITOSHIMA CRAFT と書いてあります。これは福岡県にかつて存在した糸島ビールのものです。
恆春3000啤酒博物館の醸造設備は全て、廃業した糸島ビールで使っていたものを譲り受けたものらしいのです。福岡県出身者としてはこの台湾最南端で糸島ビールと再会できて感動でした。
福岡から来た発酵タンクは 1.5KL が 5基です。
’97年11月19日検定と書いてあります。恆春3000啤酒博物館はまだ 2年ですが設備は日本時代を含めて 20年の歴史があります。20年記念のバーテーも行ったそうです。
こだわるビアスタイルはクラシックなスタイル全般だそうです。ただのブルワリーではなく、博物館としての使命から、お客様に諸国のビールの歴史と知識を学んでいただけるビールを造りたいらしいです。
発酵タンクから直接注いで飲むビールは格別でした。
ブルワリーのスペースにはまだ余裕がありました。今後の設備の増設の計画もあるようです。
レストランに戻ります。モナリザの下にある小型の醸造設備はパイロット用に準備したらしいですが、ここの雰囲気に合わないので撤去予定だとか。この場所は他の目的に使うらしいです。何をやるかはお楽しみ。
レストランからこの階段を上ると博物館です。
博物館に上る踊り場にはタカサゴビール(高砂麥酒株式會社) のポスターが。これが現在の台湾ビール(台灣菸酒)の前身です。
博物館編に続きます。(博物館の所蔵品の質と量に圧倒されます)
写真は全て 2017年7月21日に撮影したものです。
恆春3000啤酒博物館 Hengchun 3000 Brewseum
恆春鎮草埔路29-1號
+886 8 888 1002
営業時間: 11:00〜18:00 ※営業時間、定休日は要確認
https://www.facebook.com/3000Brewseum
恆春3000啤酒博物館リンク
秘境に秘宝!恆春3000啤酒博物館 Hengchun 3000 Brewseum
https://taiwan.bier-reise.net/3000brewseum/
恆春、墾丁、ビア散歩 (恆春3000啤酒博物館)
https://taiwan.bier-reise.net/hengchun/
コメント
[…] 大好きなブログ日本人喝台灣で見ていて、ずっと飲みたいビールだったので […]
[…] この台湾最南端のブルワリー 恆春3000がどんなブルワリーなのかは、私が大好きでよく拝見しているサイト日本人喝台灣をご参考ください♪ […]